龍神様と少女の話 ネタ

・龍神さま
人の心勉強中の東を守る黒い龍。名前もないし祀る社も大きなものは無い。土着の神に近いが、一応は天津神。
長い長い歳月の間人を観察していたが、ある時神と深い縁を結ぶ少年が訪れて「お前は俺の心を食らって人の世を歩くといい。存外俗世は楽しいぞ?」と言って人の形の器を残していった。
かくして黒い東の龍は人の世を歩く。己の内側で眠りこけながら時々面白そう笑う少年の声を聞きながら。

・少女
むかし少年に救われたなんてことの無い少女。少年とよく似た形をした黒い龍神と縁を結び一緒に暮らしている。名前は「あい・あず」からイア。少年が着けた名前をまといながら、かつての恩人とよく似た形の別の人と生きている。

・少年
とある神様が作った人の心を持ち人の姿を持った不運な人間。生真面目で享楽的で快楽主義で悲観的。
人の身には長すぎる歳月、属背を渡り歩いた末、望んだ最期を手に入れた。最後の土産に己の心を龍神に、己の祈りを少女にあげて消えていったが、はてさて。