男審神者

主従の縁

 随分とご機嫌な鼻歌が耳に入って、足を止めた。薄い障子の奥には主たる青年の執務室がある。こぢんまりとした部屋の中に、机と本棚、それから仮眠用の薄い布団が置かれているだけの部屋だ。 孫六兼元という刀剣男士は顕現して日も浅かったが、それでもその…